まずはみんなで歌ってみよう!
「森のクマさん」
1. ある日 森の中 クマさんに 出会った。
花咲く森の道 クマさんに 出会った。
2. クマさんの 言うことにゃ お嬢さん お逃げなさい。
スタコラサッサッサのサ スタコラサッサッサのサ
3. ところが クマさんが 後から ついてくる。
トコトコトッコトッコト トコトコトッコトッコト
4. お嬢さん お待ちなさい ちょっと 落とし物。
白い貝殻の 小さなイヤリング。
5. あらクマさん ありがとう お礼に 歌いましょう。
ララララララララ ララララララララ
作者 馬場祥弘 (むかし見た歌集では作者不明だったような…)
皆さん、この歌はよくご存知なはず。しかし今一度、歌詞をよく読み考えてほしい。どこか納得のいかない点はないだろうか?
そう、この歌の最大の疑問点は、お嬢さんがなぜ逃げなくてはならなかったのか?という点である。
私はよく考えずに森でクマに出会うことは恐いことだからだと思っていたが、そのクマさん本人が逃げろと勧めているのではつじつまがあわない。更にクマさんは後から追いかけてきてイヤリングまで届けてくれるのである。恐いなんてとんでもない!とっても優しいクマさんなのだ。
だがそれ故に、その優しいクマさんの言動がかなり不審でもある。なぜなら、逃げなさいと言っておきながら、逃亡途中のお嬢さんと一緒に歌っているのである。おいおい、そんな暇あるのかクマさん?何か危険が迫っていたのではなかったのか?(それとも歌いながら逃げているの?)
この問題について緊急会議を開くと、友達は1つの仮説を立てたのだった。その説とは、歌の1番のクマさんと2番からのクマさんは異なった存在であるという説だ。
1番(「ある日森の中クマさんに…」)のクマはどう猛な動物の熊であるらしく、2番からのクマ(「クマさんの言うことにゃ…」)は優しい木こりの熊さんであるという。
つまり、…森の中で、どう猛な動物の熊に出会ってしまったお嬢さんは、たまたまそこにいた木こりの熊さんに、早く逃げろ!(ここは私にまかせろ!)と言われ、逃亡を開始。後に動物の熊を倒した木こりの熊さんがイヤリングを届けてくれるという…。
この説によると、木こりの「熊さん」という名前から察するに、どうも舞台は日本であったようだ。そうするとお嬢さんがお礼に歌った曲というのは、日本民謡だったのだろう。歌詞が「ララララ…」という民謡であるらしい。それにしても、この説は一応つじつまが会う。だが、しかし、本当にそれでいいのか?!
さらに2つめの説として森の中が戦場であったという説が浮上してしまった。動物の熊は登場せず、優しい兵隊の熊さんが大活躍するという物語りであるが、この説の詳しい内容は御想像にまかせ、非常に残念ながら割愛する。
花咲く森の道…日当たりの悪いはずの森の中に花が咲き乱れているのであろうか?何の花だろう?森林に咲く世界最大の花、ラフレシアか?謎は深まるばかりである。
私達は小さい頃から、こんなに謎めいた歌を、意識もせずに笑顔で歌っていたのである。
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