小雨の降る9月の某日の夜8時頃、私は、二階の自分の部屋で、まったりとした刻を過ごしていた。すると、不意に電話がなった。この音は、下にいる親からの内線だ。受話器を取ってみると、親の様子がおかしい。
話を聞くと、家の前に、救急車が二台と消防車が止まっている。そのことで親は少し不安に思ったようだ。
救急車もしくは消防車のどちらかが止まっていることはよくあることなのだが(誰が呼んでるのかは知らないが、何故か、救急車や消防車がこの辺に来て止まっていることがよくある。しかも、なにもせずに、しばらくすると去っていく)、今回はその両方、しかも、救急車にいたっては二台も来ている。
一体なんなのだ?
もしかしたら、家にスパイ容疑がかけられて、国家公安委員会が二十四時間体制で見張っているのか?救急車で?などと、訳の分からないことを考えつつ、状況を確認するために、とりあえず外に出てみる。
すると、外の怪しい様子に気づいたのか、近所のオバサンも外の様子を見に来ていた。話をしてみると、「また来てるわね〜、今度は何なのかしら?」とのこと。やはり、オバサンも、救急車や消防車がこの辺によく来ることは知っていたようだ。
ん?ちょっと待て、「今度は何なのかしら?」と言ったな…。今度?今度って何?
私は、救急車や消防車がやってきて、何もせずに帰って行くことしか知らない。以前に何かあったのか?あったとしたら、どこぞの家のベランダが落ちたと言う話くらいだが、恐らく、それは関係ないだろう。このオバサン…何を知っている?
ひょっとして、このオバサン実は、MJ12(マジェスティックトゥェルブ)の捜査官で、私の宇宙人に関する研究を始末しに来たのか?
そして、今のは、私に誘導尋問をしているのか?その場に緊張が走る。
私は、オバサンの一挙一動を見逃さないように集中する。すると、向かいの家から、何者かが飛び出してくる。しまった!敵の増援か?こうなれば、1人でも多くの敵を道連れにして、死して屍拾うもの無し(意味不明)。
よく見てみると、出てきたのは、救急隊員にタンカで運ばれていく向かいの家の人だった。しかも、酸素吸入器を付けている。
「いや〜ね〜、ガス自殺かしら」いつのまにか後ろに来ていた親が呟いた。
「自殺」の前に「ガス漏れ」と言う発想はできないのだろうか。
そんなことを考えているうちに、救急車と消防車は去っていってしまった。
結局、真相は何一つ明かされぬまま…。
ちなみに、この時は、バウ&ダマ2が遊びに来てたのだが、二人は外の騒動にまったく気づいてなかった。鈍感な連中共め…。
今回の教訓 − 知 ら ぬ が 仏 −
お粗末さまでした。
|